清里大会は、初日の〈フリースタイル〉、〈フリースタイルトライアル〉、
〈レディース〉クラスの佳境途中まで進んだところで竜巻が会場を襲い、
急遽大会を中止させていただきました。
今回、お怪我をされた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
楽しみに会場へ足を運んでいただいた皆様、急な大会中止でしたが、
皆様の安全を第一に考えての処置でしたので、ご了承ください。
初めて竜巻の脅威を体験しました。信じられないくらいいろいろな物が天に巻き上げられ、
人は自然の驚異にさらされたとき、やはり無力なんだとあらためて実感させられました。
こういった状況になりつつも、2日目の青空大会では、各クラスの出場者が一生懸命に
この日を楽しむ気持ちを披露してくれ、盛り上がるラウンドが多かったと感じました。
シーズンも最終盤、この大会が終了すると、残るは長岡大会。伝統のSDC最終戦に突入です。
今回で大会を終える方も多かったと思います。今年も本当にありがとうございました。
いろいろあったシーズンだからこそ、きっと今回のJAPAN CUPノミネートにはひと味も
ふた味も重みがあると感じます。年々参加者の技量が上がり、とくに
〈レディース〉初、女性初!のクワドラプルプレーヤーも誕生しました。
本当に熱い気持ちで投げ込まなければ、そこにはたどり着けるものではありません。
そんななかで、各プレーヤー思い思いのワンDAYを楽しんでくれているのだと思います。
1日目
〈フリースタイル〉(エントリー:5)
今回の清里大会初日、神戸のダブルヘッダーも視野に入れ、鈴木康男が足場の凸凹
にも負けないプレーで1Rトップの34.00P。キャッチ率もあの風のなかでよく保ちました。
2位Tには、ご高齢には標高1300mはキツカッタ…と言いながらも、神立裕之がやはり
そのテクニックを生かし、サマーフェスタとともに見事にラウンドを終えました。
コミカルな動きやテクニックは天下一品!
同じく2位Tには、こちらは若さという勢いに乗せ、Komachiがその若さゆえ欲が多く
出てしまうこともありながら、よい方向に転がると加茂可寿美にガッツで
応えてくれます。たまに出てしまうガジガジが玉にキズだが、
碧い弾丸ならぬ黒い弾丸で会場を盛り上げました。
身体の柔らかさを生かし、小さなSAFARIをダイナミックに魅せる小林真由美。
ここも注目チームです。小さい犬種だからこそ試行錯誤し、魅せられるプレーを表現。
とくにマルチはタイミングが気持ちよく決まってました。
アメリカンROCKっぽい原田健一のスタイルと、それにピッタリ合ってるSAVANA。
とくに注目したいことは、カッコいいシュッとした一面をのぞかせるSAVANAの表情と動き。
高原のフィールドを縦横無尽に走り、ダイナミックにキャッチする姿が迫力満点でした。
1位 鈴木康男&SKIP(34.00P)
2位 神立裕之&サマーフェスタ(29.25P)
2位 加茂可寿美&komachi(29.25P)
4位 小林真由美&SAFARI(29.00P)
5位 原田健一&SAVANA(25.75P)
なお、参加者と協議し、1Rのフリー演技のみで勝敗を決しました。
〈フリースタイル・トライアル〉
(エントリー:1)
プレーヤー本人いわく、まだよくルールを把握していないというなかで、楽しそうに
ウノがタイミングよくキャッチしていた印象があります。ここから少しずつ少しずつ
トリックを覚えて、いつかテクニックが開花するだろうと思うと、今から心が躍ります。
1位 金子直樹&ウノ(22.00P)
2日目
〈スーパー〉クラス(エントリー:25)
この日、予選を7位で通過したのは信州からの遠征組、植田昌広&VICKE。
7位だからもう下がることはないと、1投目から8Pにぶち込み、2投目をディスクダウン、
3投目も7Pとロングで攻め、ラストの1投を10Pと気持ちよく
+25P。好調な出だしで決勝Rに勢いをつけました。
予選通過6位は浦野優一。今年の年間チャンプ争いが激化するなか、
浦野が長岡前にケリをつけるべく臨んだラウンド。6+6+8と、ここまではよかったのですが、
その後の2投をミスしてしまい、加算は20P。GT64Pと植田に一歩届かずに終了です。
次に登場は、予選通過4位T、久々の決勝Rでシーズン終盤にきてエンジンがかかってきた
田川誠&Nicolas。ミスからのスタートでその後を8+6+5とロングとミドルで何とかゲームを作り、
GT65Pと植田と並びます。
同じく4位Tは、安定の総帥、白川政明&寿杏が6P×3で1本をミス(3投目)と、
決勝の緊張が走ったか、GT64Pと順位をおとしてしまいました。
予選通過3位は、御前崎からエンジンをかけなおした服部功&HandsomeLad。
4投目に2チョロを決め、タイム感覚もばっちりに5投を収めるとGT72Pまで伸ばし、
この時点での暫定トップに立ちます。
予選通過2位は、地味押しで自分を隠し、敵の虚を突く直田徳幸&ハナ。
その作戦がハマりにハマってラストも8Pを加算し、GT76P。地味ながら
しっかりと結果を残しました。
そして、今回の大注目は、久々の登場、長野のミラクルレフトハンドこと
林勝利&JAKE。各選手が見守るなか、決勝Rでばらされた今シーズンの会員更新をしなかった件。
かなりの動揺が走り、1投目からぺらっぺらなディスクを投げ込み、もう精神的にはズタボロ…。
ですが、暴露話をしても許してくれるあなたの懐の深さに、心から
来シーズン会員復活へのエールを送りたいと思います。
1位 直田徳幸&ハナ(48P+FR28P=76P)
2位 服部功&HandsomeLad (47P+FR25P=72P)
3位 林勝利&JAKE(51P+FR20P=71P)
4位 植田昌広&VICKE(40P+FR25P=65P)
4位 田川誠&Nicolas(46P+FR219P=65P)
6位 白川政明&寿杏(46P+FR18P=64P)
6位 浦野優一&凛娘(44P+FR20P=64P)
〈レディース〉クラス(エントリー:13)
初日にエントリーを考えていた方々が中止を聞き、そのまま神戸になだれ込んだ
ケースも多かったなかで、今シーズン、やはりこの人は強い、井上美樹&ソナ。
決勝ではいつもの安定感ではなかったものの、1・2Rのアドバンテージが生きて、
この日の優勝を果たします。年間ランキングTOP10入りを目論んでいることでしょう。
2位は杉浦幸子&こう。決勝Rで28Pと大爆発するも、井上美紀にはそよ風程度にあしらわれ…。
ですが、これで年間ランキング15位も見えてきたのでは!?
3位につけたのは岡真由美&ほのか。いろいろ悩みに悩んで挑んだ今シーズン。
あと一歩、あと一歩で花が咲くんです。長岡ですべてにケリをつけるべく、
ランキングアップを心待ちにしております。
4位には地元の勇、多田マナ&シャノン。やはりこちらもタイトル奪取および
年間ランキングTOP10を狙うも今回は届かず…。
次の長岡でランキングアップを狙います。
5位は現在年間ランキング1位のお嬢様、高倉芽生が花音と楽しく、そして攻めるプレーで
会場を沸かせました。初日の出だしは絶好調の35Pでしたが、竜巻のために幻と消え、
それでもあのラウンドは熱いプレーでしたね。
1位 井上美樹&ソナ(55P+FR16P=71P)
2位 杉浦幸子&こう(42P+FR27P=69P)
3位 岡真由美&ほのか(44P+FR15P=59P)
4位 多田マナ&シャノン(33P+FR19P=52P)
5位 高倉芽生&花音(33P+FR14P=47P)
〈S2〉クラス
事前・当日エントリー合計で15チーム。
今回の清里大会では年間ランキング2位の鳥海達也&ぽんず、さらには3位の鳥海達也&りんごが不在。そのほかにも強豪チームが不参加となり、これはランクアップを狙っているチームにとってチャンスだったのではないでしょうか?
決勝R、トップバッターは厚沢勤&♪COCO♪。このチームも今シーズンは本当に頑張っていましたね。明らかにスローテクニックのレベルが上がってました。もともとロングエリアまでディスクを運ぶことができるチームでしたが、最近はさらに精度が増してきている、そんな感じがします。決勝Rは6Pとロングエリア8Pを決めて合計14P。GT41Pでフィニッシュとなりました。
続いては、1・2R合計38Pの白川政明&六花。〈S2〉クラス参加チームからは「強すぎる」と言われているほどの実力あるチーム。爆発力は少ないですが、その代わり安定感が群を抜いています。決勝Rは6P×4の24P。GT62Pとやはり大きなポイントを挙げてきました。
3番手として登場は、2位Tの吉池信也&デンデ。このチームはデンデの調子によって獲得ポイントにバラつきがありますが、スローワーは確かなテクニックを持っています。決勝Rは4投中2投成功の12P! GT52Pでフィニッシュ。この段階で年間ランキング28位! 長岡で最後の戦いに突入しますが、果たしてLANK20まで手が届くのか…。
同じく2位Tで登場は高橋芳則&sizuku。年間ランキング5位のチーム。1・2R合計40P。今回の決勝進出チームでは最もランキングの高いチームとなりました。決勝Rでは、思い切りのいいスローを投げ、ロングエリア8Pも決めます。決勝R合計14P。GT54Pまでポイントを上げました。
そして最後に登場は、岡祐司&ほのか。1・2R合計58Pと多くのポイントを持って決勝Rを迎えることになりました。御前崎ではラスト1投、ほのかとの受け渡しができずに優勝を逃しましたが、この清里では1投目に6P、決勝R合計17Pまで伸ばし、GT75Pで初優勝となりました。
〈レディース〉クラスでも岡真由美&ほのか、しっかりと結果を残していましたね!
おめでとうございました!
〈プレジャー>クラス
事前エントリー8チーム、キャンセル5チーム、当日エントリー2チームの合計5チームとなりました。
まず、3位は佐々木裕子さんとチャッピーのチーム。事前エントリーではゆうきとのチームでエントリーをいただいていましたが、チャッピーに変更してのゲームとなりました。チャッピーのことを考えて、1Pエリアに投げ込み、1Rは8投のうち5投成功! 2Rでも同じようなゲームで2Pをゲット! 合計7Pで3位となりました。
2位は松浦豊子&ベッキー。この日は〈ドギーズ〉クラスでもベッキーが活躍しますが、〈プレジャー〉クラスでも見事入賞を遂げました! 「4Pエリア目指して頑張ります」とコメントいただいていましたが、うまいこと投げ込んでいましたね! 2位おめでとうございます。
1位は植田さやかさんとKAIのチーム。今回は安定したスローを3-4Pエリアに投げ込んでいましたね! でもたまたまだそうです(笑)。 植田さやかさんのレギュラーシーズンは今回の清里大会でラスト。今度はJAPAN CUPでお会いしましょう。優勝おめでとうございました。
〈チャレンジゲーム〉
事前エントリー3チーム、キャンセル1チームの2チームとなりました。
ご参加いただいたチームは、滝沢宏匡さんとGroove、〈プレジャー〉クラスではKAIと優勝を遂げた植田さやかさんとMieuxです。
滝沢宏匡さんのパートナーのGrooveは5月29日でやっと1歳になるという若手のワンコ。場慣れのために参加しましたとのことでしたが、ジャンプキャッチ、さらにはレトリーブも完璧! 1・2R合計33Pを挙げて優勝となりました。おめでとうございました。
2位となりましたのが、植田さやかさんとMieuxのチーム。「相変わらず、気分屋のみゅうですが(笑)走っているだけでかわいいので良し!!!」とのコメントをいただいていましたが、ほんとにかわいかったですね! しかもしっかりとディスクを追いかけていました。1・2R合計30Pと、滝沢宏匡さんとGrooveのチームに3P足りずに惜しくも2位となりました。
日差しが強いなか、両チームともお疲れさまでした。
〈ベテランズ〉クラス
事前エントリー11チーム、キャンセルが3チーム、当日エントリーが2チームの合計10チームとなりました。
1日目、竜巻のため大会が中止となり、2日目はキャンセルされるチームが多いかなと思いましたが、10チームと多くのエントリーをいただきました。まだ若い者には負けられん! そんな感じだったのではないでしょうか?
入賞チームは、まず3位に大久保泰子さんとALOHA♪。今回は「あ〜ろは〜♪」という大久保泰子さんの美声があまり聞けなかったような…。ちょっと残念でしたが、それだけALOHA♪が頑張っていたということでしょう!
2位は北山幸弘さんとみみのチーム。ウェルシュ・コーギーのみみ、抜群の動きを見せていましたね! 1Rでは18P、2Rは14Pの合計32Pを挙げましての2位! お見事でした。
優勝に輝きましたのが、滝沢宏匡さんとSONICのチーム。「ほぼ3年ぶりですが、SONICはバリバリ元気です」とコメントいただいておりました。SONIC、10歳ながら見事なゲームをしていましたね! 2Rでは5投中4投成功の24P! 1投のミスがありましたが、それでも1・2R合計46Pを挙げて見事な優勝となりました!
〈ドギーズ〉クラス
事前・当日エントリー含めまして18チームとなりました。
1日目の竜巻の影響により、キャンセルをしたチームが数チームありましたが、当日エントリーをかなりいただきまして、ふたを開けてみたら18チームほどにふくれ上がっていました。
そんな〈ドギーズ〉クラス、決勝進出チームは…以下のとおりです。
河内芳夫&海。1・2R合計10Pと、年間ランキング2位の村松久弘&ピノに並んで予選通過5位Tで登場となりました。
決勝Rではその喜びと緊張を噛みしめるように、1投1投力強く投げ込みます。傾斜、そして風の中でのゲーム。決勝Rでは3投目にフットフォルトが入ってしまいました。前に前にという気持ちが強かったぶん、足もラインを超えてしまいます。決勝Rは4P、GT14Pでフィニッシュとなりました。
続けて村松久弘&ピノが入ります。シングルランカーのこのチームでも決勝Rでは伸び悩みました。4投中1投成功の6P、GT16Pで終了となりました。
そして注目のチームが登場。武藤和彦&ごんぞー。御前崎にてドギーズデビューを果たし、さらにその日に決勝Rにも進出。清里大会でも強豪チームを退けて、決勝R進出を果たします。決勝Rでは5投中2投成功の7P! GT19Pとなりました。
次に登場は、松浦光男&ベッキー。〈ドギーズ〉クラスで、のどから手が出るほどポイントを欲しいのがこのチームでしょう。年間ランキング26位! この時点でギリギリLANK25に収まっていません。ここは気合の入れどころ!
決勝R、5投中3投成功の10Pを挙げます。GT24Pでフィニッシュとなりました。しかしながらこの24P…この時点で3位が確定となりました。
残す2チームが予選通過1位T。30Pを持っての決勝Rは南孝太郎&タルラ、そして南孝太郎&ダコタ。南孝太郎が1・2Rをとおして非常にいいゲームをしてきました。
まずは南孝太郎&タルラから。決勝Rでも魅せます! 6P×4の24Pを挙げてGT54P! 他を圧倒するポイントを記録し、トップの成績となります。
最後は南孝太郎&ダコタ。年間ランキング5位のチーム。決勝Rは3投を入れて2投成功の12P。GT42P。
よって〈ドギーズ〉クラス優勝は南孝太郎&タルラです。初優勝となりましたこちらのチームには、誇らしげにウイニングランをしていただきました。
2位が南孝太郎&ダコタ、3位が松浦光男&ベッキーとなりました。
巨大竜巻により、1日目は大会中止となりましたが、それでも2日目にエントリーいただきました皆様、誠にありがとうございました。
岩 崎 泰 大