VOL.002
会員番号:182
服部香織さん・理久さん(神奈川県)
犬名:びんとろ(12歳・♂)、じゅびろう(8歳・♂)、しゅるり(1歳・♀)
いけないお迎えNo.1、ペットショップでの衝動買いで出会ったびんとろ。
夫にも相談することなく、ワンコ飼育セットとともに突然やってきた最悪バージョン。
なぜ「びんとろ」というのか。それは、びんが来る前日に友人とビンチョウマグロのトロを食べに行ったから。”ビントロ”という音が耳から離れず、そのまま付けた。「びんちゃん」て呼べるし、いいんじゃない?
しかし、周囲のワンコの名前は皆ステキな洋風が多かった。うちは純和風「びんとろ」。しかも魚だ。今でこそ「びんとろと言います」と胸張って言えるし、間違われることは一切ないので最高の名前だと思っているが、当初は少々恥ずかしくて、競技をはじめた頃の登録名も、動物病院の問診票への記載も、「びん」だった。
当時流行っていた親戚さん探しでもあまり近いコは見つからず、言い方は悪いが「どこの馬の骨ともわからない」犬だったびんとろの、一番才能が発揮されたのは羊追い。昨今、ドッグスポーツに携わっている家庭では、集中力がありそうな血統ややる気のガンガンありそうな血統など、お好みに合ったタイプの犬を迎えるケースも少なくない。羊追いに関しても、いわゆるワーキング系というのが人気だったと思われるが、「どこの馬の骨ともわからない」フサフサびんとろは、講師に「いいコに当たったね」と言わしめるほどの”目力”を持つ(意外にも程度かも知れないが)、なかなかいい筋の持ち主であった。
が、飼い主の「ハエのお持ち帰り、やだ」とか「車が臭い」とか「誘導で目が回る」というくだらない言い訳により、初心者クラスでは入賞を果たしたもののそこそこでフェードアウト。同時進行で楽しんでいた、人は走らずワンコだけ走る素晴らしいスポーツ、ディスクドッグ主体になっていったのである。
いつまでも伸び悩む母をよそに、3歳でデビューした息子・理久は、小学校に入ってから飛躍的に上達。3年生で10Pを投げられるようになり、本人もうれしい母も楽しいと、もしかしてダンナはいないのか?と影で言われる母子家庭遠征にますますどっぷりはまっていった。
ディスクにおいてはキャッチセンスより芝刈りのほうに才能を発揮するびんとろ。しかし、理久の成長によって変わる飛距離に合わせて、スタートから走り出す距離を調整していたのには驚いた。〈キッズ〉デビュー間もない頃は、理久の周囲360度どこでも任せろ、と頼もしかったものだ。
ディスクドッグなら誰でもできるのかは、もうわが家では比べられないので残念。2頭目のじゅびろうが来た頃は〈タイムトライアル〉でさえブン投げていたし、3頭目のしゅるりが来た今は大会にさえ来やしない。まあ、競技と投げ練以外は、ヨッパが出入りするおばちゃんタープでじっとしているしかないので仕方ないか。
ディスクドッグの大会では、年齢性別関係なく、ワンコやそれ以外のくだらない話で笑ったり泣いたり感動したりできる仲間がいる。せっかく遠くまで来ても行くのはコンビニとファミレス、宴会は地べたで寝るのは車という、一般友人からはうらやましいと言われることなど皆無。でも、そんな生活を楽しめることに感謝。そして、そんな仲間につなげてくれたワンコたちとディスクドッグという競技に感謝。
走行距離も参加回数もめっきり減ってしまったが、これからも細く長く楽しみたいと切に願う今日この頃なのである。
◆次にご紹介するのは、〈フリースタイル〉と〈ディスタンス〉で大活躍してきた森稔之さんです。