〈フリースタイル〉
今大会の参戦チームは、昨シーズンの顔ぶれ、秦泉寺淳子&ジゼル、佐々野海優&風呼、赤木慶子&LUCCA、平野浩一&ELBIENに加えてフリースタイル界で名の知れた、澤幹子&SID(シド)&AILA(アイラ)。この日が記念すべき〈フリースタイル〉
デビューとなった京極明日香&ROYCE(ロイズ)と合計7チームの戦い。7人7色の演技は、観戦チームを惹きつけて会場を盛り上げてくれました。
なかでも、さすがといったゲームを見せたのが澤幹子&AILA。
衣装、楽曲とこだわり、見事予選4位からの逆転劇。この優勝をきっかけに今後の参戦も考えられます。すると、今後の〈フリースタイル〉の勢力図に変化が出てきそうな予感でいっぱいです。
そんな澤に逆転を許し、2位に順位を下げてしまったのが、ベテラン平野浩一&ELBIEN。決して悪くない内容だっただけに、この日は澤の追い上げを阻止することはできなかったことに、悔しさもあったのではないでしょうか。しかし、昨シーズンからの課題だったディスタンス競技では、スクエアーゾーンに2本をからめたノーミスのパーフェクトゲーム。まだまだ進化を見せるベテランには今後も期待ができそうです。
3位争いを繰り広げていたのが、昨シーズンのルーキーオブザイヤー受賞チーム、佐々野海優&風呼。身軽な動きで大技を決め、ダイナミックなスローで入賞を狙ったが、澤幹子&SIDに破れる結果に。しかしこのチームもまだまだ成長著しいだけあって、今回の大会でも何かを吸収したのではないでしょうか。次回に期待しましょう。
〈レディース〉クラス
今大会は1日目21チーム、2日目31チームがエントリー。メンツは西エリアの強豪、さらに東からの遠征チーム、土手の姉御こと小向祐子&SOL、そして昨シーズンの〈レディース〉クラス年間チャンピオンの高倉芽生&花音と、GIゲーム並みの強豪が優勝争いを展開。
そんな優勝経験豊富な強豪ひしめく〈レディース〉クラスを制したのは、なんと両日とも優勝経験がないチーム。
1日目を制したのが地元チームの木野島みゆき&蓮花(レッカ)。スローワーは昨シーズンから向日葵(ひまわり)と〈レディース〉クラスデビューをし、実力をメキメキとつけてきて他チームからもその実力は認められているところ。今シーズンは新しく迎え入れた蓮花とも〈レディース〉クラスにチャレンジしていました。
そんなチームが、この日の優勝をつかみ取る素晴らしいゲームを展開したのが2R。難しい風が吹き荒れ、20Pを挙げれば上等といったなかで31Pのキャリアハイをたたき出すと、会場には驚きの歓声が。決勝Rでは自身初の優勝がかかり緊張もあったと思うが、力強いスローで戦いきって優勝を手に。涙を流してのウィニングランと、それに群がる男性陣たちの姿が印象深かった!
そしてもうひとつ、広島のチーム、道元優子&翔太がうれしい3位入賞! これだけのメンツでの入賞は初めての経験。しかもこの日は夫、道元龍夫さんの62歳の誕生日。努力が実ったうれしい、おめでたい1日になったのではないでしょうか。
2日目。
31チームに増えた〈レディース〉クラスを制したのが、和歌山からの遠征チーム、京極明日香&ROYCE。スローワーはまだまだ若いが長いキャリアの持ち主。今でこそ当たり前になった女性のロングスローワーのはしりの1人でもあり、今回遠征してきた小向智宏もファンになるほどの実力者。
そのキャリアを目の当たりにさせたのが、この日の優勝を決めた決勝R。強い向かい風が吹く決勝Rは、〈スーパー〉クラスの面々でもロングに届くチームが限られていたほど。そんななかで京極がまさかの10P決め! その瞬間に会場のボルテージは一気に上がり、他チームの視線を釘付け。気づけば1投のミスをしたにもかかわらず合計28Pと他チームの2倍のポイントを挙げるというプレーぶり。日暮れが近くなっていたため、慌ただしいウィニングランとなったが、うれしさがにじみ出ているいい笑顔でした。
〈S2〉クラス
両日とも各地の成長著しいチームが参戦。
そのなかでも1日目、勝負強さを見せつけたのが佐々野海優&風呼。〈フリースタイル〉で活躍をしているチームだが、ディスタンス競技でもかなりの実力者。時には〈スーパー〉クラスに匹敵する爆発力を発揮することも。
この日も1・2R合計42Pと、〈スーパー〉クラスの7位で決勝R進出ができるポイントを獲得。それだけのアドバンテージを持って挑んだ決勝Rは、2投で優勝を決める強豪ぶり。学生でもある佐々野海優は今シーズンは受験を控え、参戦回数も少なくなっている状況。1戦1戦が大事になってきそうです。
そして、2日目を制したのが今シーズンから本格参戦している原田安沙子&Tiki。昨シーズンから開催地の1つとなった山口県からの遠征チーム。今大会は同じ山口県の牛島幸男&Viperとともに力試しに神戸に初参戦。
この日は、昨日の優勝チームの佐々野海優&風呼、愛知の強豪、岡本憲明&RONRON、さらにはいずれは〈スーパー〉クラスでも活躍を見せるだろうと予想されている実力者の木野島佑亮&蓮花とかなりの強豪ぞろい。そんななかでの優勝は余裕も見えたゲームに。2位には牛島幸男&Viperの名前もあり、山口勢の実力をしっかりと示して帰路へ。
次回は、この両者を支えるリーダー的存在の藤原崇が寒川大会に参戦。今シーズンの山口勢の勢いはこの先どこまで強くなっていくのか、これからの活躍が今から楽しみですね。
〈スーパー〉クラス
東エリアの若手No.1高倉知也&花音、そしてチーム土手のドン・祭漢こと小向智宏&SOLのサプライズ参戦で、よりいっそう盛り上がりを見せた〈スーパー〉クラス。
なかでも一番の盛り上がりを見せたのが2日目。その立役者は3人の男、八幡誠、三木直人、小向智宏という、今のNDAを代表するロングスローワーたち。5投から6投回しが主流となった今のディスクドッグ界で、ロングエリア4本勝負に挑むスタイルの持ち主ばかり(たまにチョロに挑戦して失敗しているが…)。
そんな彼らがこの日の〈スーパー〉クラスの空気を一気に変えたのが2R。この3チームのトップバッターで出てきた八幡誠&WINが見事に10P×4本のクアドラプル達成し、会場は一気にヒートアップ!
さらに、次に登場した三木直人&Jenaは10P×3本を決め、史上初の2人連続クアドラプル達成にリーチ。惜しくも紙一重でクアドラプルは逃したものの、会場のボルテージはこの時点でMAX! 気づけばコートの周りは1周ぐるっと人で埋めつくされるという盛り上がりぶり。
続いて登場した小向智宏&SOLは、前者の盛り上げように珍しく緊張していたのか、1投目は力が入りすぎてミス。しかし、その後は10Pを2本と8Pを1本決めて、祭漢の名に恥じないゲームを展開。そのあとで佳境に入る予定だったが、会場のボルテージは一向に下がらず、気づけば今シーズン第1回漢祭り開催といった状態。
そんな空気につき合ってくれたのが八幡瑛茉&DIESEL、岡本彩&JEYJEY、古野智子&Schumacherと女性チーム。1本以上づつ10Pを決めて盛り上げてくれたのはさすがです。
このあとに続くのが土曜日の優勝チーム、小林壮&空。6Pと4Pの組み合わせを5本確実に決めるゲームが主流で、そのスタイルで今シーズン何度も優勝を決めているチーム。そんなチームだけにまさか漢祭りにはつき合ってこないだろうと、競技を見守る誰もが予想していたところ、ここで小林が見せたスローはなんと力のこもった全力スロー。八幡誠、三木直人、小向智宏とまったく真逆のスタイルのチームが、漢祭りにチャレンジしてきた瞬間! これには会場中が驚き、小林のチャレンジに盛大な惜しみない拍手が送られたのです。
小林の心意気を受けとめ、後者の谷端賢二&NATTY DREADもロングを投げ込み、三浦武也&CYBELEに関しては入場と同時にいつもタイムコントロールに欠かせない時計を投げ捨てての
ゲームに挑戦。その後、トリで登場した福島弘明&クロアもロングエリア4本のゲームを見せて漢祭りを締めくくってくれました。
個々それぞれにゲームプランもあったでしょう。それを捨ててまで会場を盛り上げてくれた今回の漢祭り参加者のパフォーマンスは、間違いなく〈スーパー〉クラストッププレーヤーの証しだったのではないでしょうか。ロングのお祭りとなったとはいえ、実際にはミドル5本を確実に決めるのも相当に難しいはず。例えば、八幡誠、三木直人、小向智宏は6P×5本を簡単にはできないでしょう(おそらく無理??笑)。いろいろなゲームスタイルがあるからこそ、今回の盛り上がりも生まれたのだと思います。
さて、このビッグゲームを制したのは地元チーム! 宮崎康一&LADDIE!!
2Rでは漢祭り前に6P×6本を決める強豪ぶりを久々に発揮。過去に何度も優勝のチャンスがありながら、そのたびに悔しい思いをしていたこのチーム。そこから調子を崩すこともあったようで、実際この日のコメントも朝から調子が悪いのに悩んでいる、とのことでした。そんななか、1位通過で迎えた決勝Rでも力強く戦いきって念願の優勝を手中に。宮崎の今回の初優勝は確実に自信へとつながり、この先で強さを示してくるきっかけになったのではないでしょうか。
今シーズン、東エリアを中心に活躍を見せている平田元のパートナー海里と兄妹でもあるLADDIE。宮崎としては同じ兄妹犬を持つ平田元の活躍に焦りもあったのでは? 高い身体能力は誰もが認めているところ。運動性能に負けないスローテクニック、強いメンタルを身につけてくると、手がつけられなくなること間違いなし! この先の〈スーパー〉クラスを盛り上げてくれるのもそう遠くないはず。兄妹対決も近いうちにあるかも!? 今から楽しみです。
谷端勇志
〈ドギーズ〉クラス
神戸農業公園大会1日目から。
事前エントリー7チームでしたが、残念ながら山本憲斉&我闘、山本真衣&ナイルがキャンセルということで事前5チームとなりました。
当日エントリーが、溝口達也&たれ蔵、溝口千尋&まきばこ、藤田浩子&マイロの3チーム。合計8チームでの戦いとなりました。
決勝進出枠は5チーム。見事その枠に収まったのは、予選通過ランク1位、青野浩紀&メイプル。
2位通過は当日エントリーから藤田浩子&マイロ、3位通過は藤田浩子&オーティス。
4位通過は青野浩紀&パンナ。この4チーム、西エリアでは常に上位に収まるような強豪チーム。
そうした強豪に食い込むかたちで決勝進出を果たしたのは、5位通過の西正己&ソフィー。
決勝R進出チームでも特に注目のチームとなりました。
1年もの間、コート恐怖症に苦しんだソフィー。1・2R合計10Pで決勝Rに進出。しかしながら、
1位通過の青野浩紀&メイプルとの差は12Pと頭一つ離されている状況。
〈ドギーズ〉クラスには少々きつめの風がコート内に吹きつけるなかでの決勝R。
まず1投目はジャンプの2P、ディスクが風で流れるなか、なんとかキャッチを決めます!
2投目もキャッチを決めて1P。ギリギリのところでキャッチを決めてくるソフィー!
そして、決勝Rの合計ポイントは5Pでフィニッシュ。4位通過の青野浩紀&パンナの1・2R合計が16P。西正己&ソフィーのGTが15P。
最終的にはまくることはできませんでしたが、これからが西正己とソフィーの新たなスタート。
今後のプレーに期待したいと思います。
ちなみに、2日目の〈ドギーズ〉クラスでは奥様の西委子&ムッシュのチームが、強豪チームひしめくなか、決勝R進出を見事果たしました。
入賞とはなりませんでしたが、4位の成績でフィニッシュ。これからの西夫妻の動向に注目が集まりそうです。
〈キッズ〉クラス
神戸農業公園大会の〈キッズ〉クラスは当日エントリー1チームのみとなりました。
エントリーいただきましたのは、大阪からエントリーのささきかいと君とセリちゃんとのチーム。
今回の神戸農業公園大会は若干強めの風でしたが、それでも気合のこもったスローで1Rでは2回キャッチ!
2Rでは3回キャッチを決めていました。
1・2R合計8Pで見事優勝! おめでとうございました!
〈ベテランズ〉クラス
事前エントリーのみの7チームとなりました。
今大会の1番の年長さんは、広島県からのエントリー青野浩紀さんとNOELのチーム。
NOELは13歳のE.C.スパニエルの女の子。13才とは思えない走りと見事なキャッチを決めて2位Tで入賞となりました。
NOELおめでとう!
「出来れば4投したいけど・・・どうかなぁ?」とコメントいただいていましたのは、愛知県からご参加いただきました
岡本彩さんとCooCooのチーム。
1Rでは4投しておりましたが、キャッチできずにフィニッシュ。2Rは4投中1投キャッチ成功!
入賞はなりませんでしたが、〈ベテランズ〉クラスではおなじみのチーム。
いつまでも元気にコートを走り回っていただきたいですね!
〈チャレンジゲーム〉
神戸農業公園大会2日目から。
2日目の〈チャレンジゲーム〉は事前エントリー3チーム。当日エントリー1チームとなりました。
注目チームは、小西由知さんとひなたのチーム。ひなたはマルチーズ、今大会唯一の犬種でした。
かわいいのはもちろんのこと、その足の速さと反応のよさで、1Rでは17Pと大きなポイントを挙げ、
さらに2Rでも5P×4で合計ポイント20P!
1・2R合計37Pで文句なしのトップで見事優勝となりました。ひなた、優勝おめでとうございました。
〈プレジャー〉クラス
2日目の〈プレジャー〉クラスから。
今大会は、全体で事前と当日合わせて100エントリーを超える、多くのご参加をいただきました。
〈プレジャー〉クラスも事前エントリーは3チームでしたが、当日エントリーで5チームいただきまして、
合計で8チームの戦いとなりました。
「ディスクが大好きな女の子です。上手にキャッチできるかな。」とコメントいただきましたのは
富永和彦さんと愛来のチーム。
愛来はストロングアイの7ヵ月の女の子。7ヵ月ながら、足の速さで1Rでは6投中5投成功の16P!
2Rでは14Pを挙げて、1・2R合計30Pで見事2位! 初めてのご参加ということでしたが、スローも非常に安定しており、
これからもぜひご参加いただき、ゲームを盛り上げていただきたいと思っております!
入賞おめでとうございました!
岩 崎 泰 大