VOL.006
遠征の勧め(個性の競演)
神戸農業公園。関西地区を代表する会場であるが、3日間開催のGIゲームとあって、全国から多くの仲間たちが集結した。
私も昨秋の台風以来、久々に訪れたため、初日の日帰り断行予定を変更し、最終日までお邪魔することにした(土曜日は仕事の調整がつかず、新幹線で往復するというおまけも付いたが…。移動にご協力いただいた友人たちに感謝である)。
このエリアのビッグゲームとなると、大ベテランからニューフェイスまで、さらには新しいパートナーを加えてのメンツとなり、チームとしては本当に多くの個性が集結する。いつもの大会とは明らかに空気感が異なり、いつにない緊張感のなかでプレーすることになるのだが、これがチーム力を強くしていく原動力となる。
勝ち負けだけではない、パートナーのケアの仕方、ゲーム前にコートへ出るタイミング、コマンドの使い方等々、参考になる要素は山ほどある。何より、久々に会った面々との会話そのものが楽しくて仕方ない。
さて、3日目のゲームで目を引いたチームを2つ取り上げてみることにしよう。
まず、〈ベテランズ〉。私は本当に久々に見たのが、高村哲也&ビンゴのチーム。初めて見たときには、私のパートナーと同名ながらボストン・テリアでの登場にビックリしたものである。ゲームではさすがに全投キャッチを決めるというわけではなかったけれど、1投1投を丁寧に投げる姿と、キャッチが決まったときの会場全体の盛り上がり方が半端ではなかった。
この日もビンゴのことを気遣いつつディスクを放る姿と、一生懸命に応えようとするビンゴの姿に感動を覚えた。ゲーム後にビンゴを迎える高村夫妻の目に浮かぶ涙、それと対照的にとてもうれしそうにしているビンゴの顔が、何とも言えない長年のパートナーとの絆を思わせてくれた。
次に山本純久&RAPTORのチーム。山本さんと言えば、押しも押されもしない広島の大ベテラン。ナイト、アールといった私好みのふさふさボーダーで活躍してきた男である。ずいぶん前の話になるが、彼の持論で面白かったのが「ロングスローは虐待だ!」と言っていたこと。まぁ、その当時は極論めいていて大笑いしたものの、今回その持論を裏づける戦法を引っさげてのプレーぶりには舌を巻いた。
あいにく、優勝劇を見せた2日目は不在だったため拝見することはできなかったのだが、RAPTORのスピードを生かすミドル6投回しにより着実にポイントを積み上げる素晴らしいゲームを3日目に目撃した。私が話しかけると、「まだまだ若いから安定するまではわからないよ」と言いながら、少年のような笑顔を見せていた。本当にうれしそうで、今後の活躍にも大いに期待が持てそうである。
今回、長年のパートナー、新たに組んだパートナーという、それぞれ特徴的なチームを目の当たりにすることができて、とても気持ちよく会場をあとにすることができた。皆さんも時間が許せば少々遠くまで足を運んで、普段はなかなか会えない仲間のプレーから刺激をもらうのもいい季節になってきましたよ。