VOL.010
おケガありませんでしたか?
絶景のロケーションのなかで、シーズン終盤の熱い戦いが2日間行われるはずだった山梨・清泉寮大会…。
初日、突然の竜巻に見舞われ、本部テントをはじめ、多くのタープが巻き上げられたり、押し潰されたり、吹き飛ばされた物が人にぶつかるなどの被害が生じた。初日のプログラムは〈フリースタイル〉を除いてすべて中止としたが、参加者同士の助け合いもあって、深刻な状況を招くことがなかったのが幸いと言えなくもないだろう。巻き込まれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
天候の様子見ではじまった2日目、前日のこともありキャンセルされるチームもあったが、ほぼ同数の当日エントリーをいただき、大会の規模も予定どおりで実施された。風による被害を警戒しつつ、参加者の皆様にはタープを張らないでいただく等、ご協力をお願いしたおかげでプログラムが滞りなく実施できたことは、参加された皆様に本当に感謝である。
さて、ゲームに目を向けると目を引いたチームが2つ。
1つは、常々「上手いな~。」と思う南孝太郎と新鋭タルラのチーム。不規則に方向が定まらない風のなかで、ひとり安定感たっぷりのディスクを投げ込む技術は、〈スーパー〉クラスを含めても特筆もの、ダントツの素晴らしさだった。彼のディスクは飛距離が出てなおかつ優しく落ちてくる。私の理想にかぎりなく近い軌道であり、見ていて惚れ惚れする。これに新鋭のタルラが実によく反応し、危なげないというより実に堂々とキャッチを決めて、この日の〈ドギーズ〉クラス優勝を決めていた。
そしてもう1つは、岡祐司&ほのかチーム。もともと実力のあるチームながら、手元の安定を欠いて1位通過2位転落という結果を何度となく見てきたものである。
岡家と言えば、ご夫婦とダイゴロー、ジンジンと2代続けてコーギーで活躍してきたことが有名だが、初めてボーダー・コリーを迎え入れて、当初はかなり苦労したことを聞いている。しかし、粘り強く改善に努めた結果、この時期にきてメキメキと頭角を現し、見事〈S2〉クラスを制覇するに至った。スローイング技術だけではなく、愛犬を育てる大切さを教えてくれるチームであり、われわれがこの競技に携わる原点を再認識させられたようにも感じる。今年のJCで大いに期待したいチームの1つである。
さて、いよいよ今週末の長岡スーパードッグスコンペティションをもってレギュラーシーズンが終了する。それぞれに思いを馳せて、最終戦で熱いゲームを見せていただきたいものである。悔いを残さないよう最後まで最善を尽くすために、長岡で会おう!