VOL.041
グランドスラム
NDA DISCDOG CAHMPIONHIPSにおいて、クリスマスカップ・ニューイヤーカップ・バレンタインカップ・ウインドマスターカップ、これがGⅠクラシックと称される四大大会である。
NDAの歴史において、トップに君臨する優れたチームは限られている。
ディスタンスでは、先ず野呂瀬さゆり&PASSERである。ミドル6Pを確実に5発決めることが初期のスタイルであったが、ライバル達が力をつけてロングを織り交ぜた高ポイントの戦いを挑んでいく段階で、ほんの一時期苦しんだように感じたが、翌シーズンには6P×6という当時としては驚愕する戦術を纏い、勝負所ではロングも放り込む力強さを見せ、さらにTOPに君臨する時代を築いた。
これに待ったをかけた急先鋒が望月昭吾&FLYである。このチームは力をつけていく速度がものすごく速かったように思う。当時、野呂瀬郁夫&PLIER、清田智久&ナンナと三つ巴のランキングトップ争いを行なう中で、勝負強さを培っていったように思う。その年のランキングを制した後は、異常とも思えるほどのゲームへの集中力というか気迫で全盛期へと突入していった。
これに対抗する活躍を見せたのが木田高弘&カルーアミルクだろう。その恵まれた体格から放たれる豪快なスローイングは精度に難あるもののカルーアの卓越した対応能力でミス数が押さえられる中で、大きな舞台で特に力を発揮して、そのポテンシャルを周りに見せつけていた。
これにコンスタントに上位に君臨した佐藤賢悟&嬉楽、大舞台に強さを発揮した大塚裕&BINGO!、風にめっぽう強い小泉伸人&MAYUなどが上位を賑わしてきた。
フリースタイルにおいては、創世記の大塚裕&BRAVO!に鈴木ひとみ&Vivi、木田美花&ロゼ、カルーアミルク、森稔之&MISIAが絡んで時代を牽引していく。
次世代が鈴木康男&SKIP、岡林さおり&パティ、亀本まりこ&Bio、福田敏光&juju、上野裕幸&カミカゼ★ATTACK、平野浩一&ELBIEN等、個性的で力のあるチームがしのぎを削る時代を作り上げていく。
しかし、ディスタンス、フリースタイル何れにおいても、冒頭に述べた四大大会を完全制覇するチームは現れて居なかったはずだ。
その偉業をウインドマスターカップ御前崎2018にて、とうとう果たしたチームが現れた。グランドスラム達成である。
それは、ディスタンスでJCタイトルを制した多田朱利&シャノン、木野島佑亮&蓮花、状況判断に優れた戦術を得意とする伊藤由樹&シャドウ、昨シーズンから圧倒的なパフォーマンスを見せる服部紀子&ZON、八幡琳珠&TATOO、木野島みゆき&蓮花といったロングを自在に操るLADYたちではない。
フリースタイルの野仲大輔&ROAである。その圧倒的なパフォーマンスは見る者の度肝を抜いたに違いない。豪快だが、繊細なトスワークはフリースタイル経験者なら誰しもが唸るレベルであることを実感できるものだ。テクニック、オリジナリティは突出し、それも毎回コンディションの変わる状況下においても安定した力を見せる。これにROAの驚異的な体幹と、激しく動く中でも常に冷静なROAのキャッチ能力が相乗効果を生み出して、その素晴らしい演技を完結する。
今シーズンはディスタンスでもスーパークラス年間ランキング3位を納め、フリースタイルは出場したゲームを何と全勝で年間ランキングを制した。
素晴らしいこのペアの偉業、グランドスラムは賞賛に値するものだ。本当に素晴らしい活躍に大きく拍手を送りたい。本当におめでとうございます!
最近では、若手にフリースタイルの手ほどきを惜しまない姿勢も感服すべきものがある。彼らに追随しようとするチームが増えていくことを熱望する。
野仲大輔&ROAの歴史的な偉業・グランドスラムは、今後ことある毎に語り継がれていくであろう。