VOL.043
バトンリレー
先のGame15湯沢GⅡ大会において、南弘道&タルラが今季初優勝を飾った。
強豪、阿部ジュリアンとのエキストララウンドを制しての堂々の優衝劇であった。これには、我々ディスクドッグを多頭飼いするものにとって、不思議な絆、バトンリレーがあるように思えてならないのである。
弘道さんと言えば、ドギーズクラスにおいては大ベテランだが、孝太郎さん&タルラチームのロングスローを軸とした派手なパフォーマンスが目に付くためか、控えめな印象が強い。
しかし、どんなゲーム環境でも、安定して中軸以上の位置には必ず入り、ランキングでは安定感を発揮している印象がある。
ペアとしては、ダコタと長年組んで戦ってきたが、今年、おめでたく孝太郎さんにお子さんが誕生し、戦線を離脱、弘道さんがダコタとタルラを擁し、ゲームに臨んでいたようだ。
今季もダコタの年齢と走力を踏まえた上で、臨んでいたようにお見受けしていた。
ところが、この大会目前に長く苦楽をともにしてきたダコタが急逝したというのだ。その悲しみは計り知れなかっただろう。
私も最初に組んだパートナーは特別であり、その喪失感たるや、思い出すと今でも胸を締め付けられるようである。
弘道さんもかなりのショックを受け、沈み込んでいたところ、奥様がこれではいけないと無理にでも大会に行くことを勧めたと聞いている。そして、ディスク仲間とたくさん話をして気が楽になればとのご配慮だったのだろうと思う。
私も含め、愛犬との別れを経験された方々は皆さんそうだと思うのだが、悲しみがなくなることはないのだが、ディスク仲間に虹の橋を渡った愛犬の話を何度も何度もして行くうちに、自分の気持ちが整理されていき、失ったものの大きさを感じつつも落ち着きのような、心静かに自分たちの関係を振り返ることが出来るようになるものだ。
そして、その愛犬への強い愛情をあらためて感じながら臨むゲームに於いて、異なるパートナーと組んでいるにもかかわらず、まるで先代が一緒に頑張ってくれているような、好ゲームが生まれてきた事例をたくさん沢山目にしてきた。私自身もそれを感じるゲームを2度経験している。
今回、弘道さん&タルラの優勝劇を見て、改めてダコタとの絆・思いがタルラにバトンリレーされ、引き継がれたのだと感慨深い思いで見させていただいた。
本当におめでとうございました。これからもダコタと築いてきたスピリッツをタルラに引き継いで素晴らしいゲームを魅せてください。