VOL.009
好勝負
沼田公園大会、今回の開催が初めてとなる会場であったが、参加チーム数、沼田商工会議所様をはじめとする地元の支援体制等々、お祭り気分も高まって大いに盛り上がったのは私だけではないだろう。
まず、コートのコンディションを整えるために、朝一番から投げ練を中断してのご協力をいただき開会に漕ぎつけられたことは感謝に堪えないことである。閉会後、会場の現状復帰にご協力を得た方々を含め、皆さんのご好意、本当にありがとうございました。
さて、ゲームに目を向けると、ハイレベルの〈フリースタイル〉ゲームを挙げることができるだろう。世界で活躍するチームの参戦があり、また、参加チーム数が多めだったこともあって、見守るギャラリーから湧き上がる拍手がコートに心地よく響いていた。勝負は親子対決で紙一重の差。普段とは一味違うチームのプレーを見ると、レギュラーシーズンを戦ってきたチームにもいい影響が出るのではないかと楽しみになる。
ディスタンスでは、JCまでひと月余りとなったこの時期のヒートアップに、プレーヤーはもちろんのこと、見ている側も1投1投に息をのむ思いでいたのではないだろうか。
このところ目を見張るもののひとつは、スピードを生かした多投型 vs ロングスローを生かしたビッグポイント型の対決だ。歩があるのは多投型のような感覚が残っているが、ここへきてクワドラプル(10P×4本)の偉業を成すチームが多く出てきているように思う。ここ数大会だけでも、髙倉花音チーム、髙橋しずくチーム、木田カルーアミルクチームと、各クラスで素晴らしいスローイングとキャッチの美しいコラボレーションを展開してくれた。
また、新会場では新しいヒーローが登場するというジンクス(?)どおり、今シーズン初優勝というチームが各クラスに見られたのも面白い。全体的には、やや舞いながら方向の定まらない風のせいかポイントが伸び悩むなか、上位に進出してきたのは堅実にミドルエリアのポイントを重ねていたチームではなかったか。それだけに、ポイントもかなり拮抗した戦いが繰り広げられ、順位決定戦が多くなったのも実力伯仲、ゲームメイクの妙であったのかもしれない。リザルトを見ていただくと、いつもと違う顔ぶれが多いことに気づくだろう。
この時期、どうしてもほかのチームのゲームメイクやポイントが気になり神経質になってくるものであるが、自戒を含めて言わせていただくと、まずは自分と愛犬が最高のパフォーマンスを繰り広げていくことが大切である。それを目指して必死にプレーし、それができて初めてライバルたちとの本当の好勝負が繰り広げられるのはないだろうか。